日本近海の海流(月概況)

平成26年6月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2014年5月)

  • 黒潮は、5月を通して沖縄の北西170〜180km付近を流れていました。都井岬では5月を通して離岸、足摺岬と室戸岬では5月上旬と下旬は離岸、中旬は接岸して流れていました。潮岬では5月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の最南位置は、5月を通して北緯33度、東経138〜138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、5月を通して三宅島の南を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、上旬は北緯38度、東経142.5度付近、中旬は北緯37.5度、東経142.5度付近、下旬は北緯38度、東経142.5度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯40.5度、東経147.5度付近、中旬は北緯40度、東経147度付近、下旬は北緯40度、東経148度付近でした。親潮の面積は、5月を通して平年よりかなり大きくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、5月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年5月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年5月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2014年5月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.6度/東南東 北緯30.2度/東南東 北緯30.3度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経138.5度付近 北緯33度、東経138度付近 北緯33度、東経138.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島の南 三宅島の南 三宅島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 旬の前半は接岸、後半は離岸 接岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、月を通して北緯24.5度、東経128.5度付近(図中A)に暖水域がみられた
先島諸島の南では、5月上旬は北緯23.5度、東経124.5度に冷水域、中旬と下旬は北緯23.5度、東経124度付近(図中B)に冷水渦がそれぞれみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2014年5月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯38度、東経142.5度付近 北緯37.5度、東経142.5度付近(図中C) 北緯38度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経147.5度付近 北緯40度、東経147度付近 北緯40度、東経148度付近(図中D)
その他の親潮系冷水の位置 なし なし なし
親潮の面積(※4 平年よりかなり大きい 平年よりかなり大きい 平年よりかなり大きい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年並) 東経142度付近(平年より西)(図中E) 東経142度付近(平年より西)(図中E)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年より北)(図中F) 北緯37度付近(平年より北)(図中F) 北緯37度付近(平年並)(図中F)
その他の日本の東の海流 5月中旬に、釧路沖の北緯41度、東経146.5度付近で暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、5月を通して山陰沖西部では北東に流れ、北緯37.5度、東経134.5度付近にみられた暖水域(図中G)に沿って時計回りに流れ、5月上旬と中旬は能登沖を北東に、下旬は北緯38度付近を東に流れ、それぞれ佐渡の北西に達すると、北に向きを変えて流れていた
秋田沖では、暖水域(図中H)に沿って東経137度付近まで西進する流れと、東経139度付近を北進する流れに分かれ、津軽沖で合流していた
津軽沖では、檜山沖の暖水域(図中I)に向かって北進する流れと、津軽海峡を東進する流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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