日本近海の海流(月概況)

平成27年6月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年5月)

  • 黒潮は、5月を通して沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬では5月上旬は接岸、中旬および下旬は離岸して流れていました。足摺岬では、5月上旬および中旬は接岸、下旬は離岸して流れていました。室戸岬では、5月を通して離岸して流れていました。潮岬では、5月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、5月上旬および中旬は北緯32.5度、東経140度付近、下旬は北緯33度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、5月上旬および中旬は八丈島の南を、下旬は八丈島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、5月上旬および中旬は北緯39.5度、東経144度付近、下旬は北緯41度、東経143.5度付近でした。親潮の面積は、5月を通して平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、5月上旬は平年より弱い状態でしたが、中旬以降は平年並となっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年5月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2015年5月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年5月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.8度、東南東 北緯30.2度、南東 北緯30.1度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経140度 北緯32.5度、東経140度 北緯33度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では5月を通して、北緯23.5度、東経126.5度付近に暖水域がみられた
沖縄の東の北緯28度、東経132度付近に5月を通して暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年5月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経144度付近(図中A) 北緯39.5度、東経144度付近(図中A) 北緯41度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経143度付近 特にみられない 北緯40度、東経143〜145度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年並)(図中B) 東経142.5度付近(平年並)(図中B) 東経142.5度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143度付近) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近)(図中C) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近)(図中C)
その他の日本の東の海流 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は5月を通して、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、東経135度付近からは北東に流れ、能登半島の西では北に流れていた
能登沖からは北東に流れ、北緯40度、東経139.5度付近からは北に流れて津軽沖に達していた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より弱い 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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