日本近海の海流(月概況)

平成31年2月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2019年1月)

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190~200km付近を流れていました。都井岬では、上旬~下旬の前半は接岸、下旬の後半は離岸して流れていました。足摺岬では、月を通して接岸して流れていました。室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯30.5度、東経137.5度付近、中旬は北緯30度、東経138.5度付近、下旬は北緯30.5度、東経139.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は北緯40度、東経143.5度付近でした。中旬、下旬は分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は、中旬は北緯40度、東経143度付近、下旬は北緯39度、東経143度付近でした。沖合いの分枝の南限位置は、中旬は北緯40度、東経147.5度付近、下旬は北緯40.5度、東経147.5度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して平年並となっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬は平年より強く、中旬、下旬は平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2019年1月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2019年1月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2019年1月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 200km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.5度、東南東 北緯30.1度、南東 北緯30.1度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 旬の前半は接岸、後半は離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30.5度、東経137.5度 北緯30度、東経138.5度 北緯30.5度、東経139.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘では、月を通して暖水域がみられた
東海沖では、上旬に北緯32.5度、東経137.5度付近、中旬、下旬に北緯32.5度、東経137度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の東では、月を通して北緯27度、東経131度付近に暖水渦がみられた
沖縄の東では、下旬に北緯27.5度、東経133.5度付近に冷水渦がみられた
先島諸島の南では、上旬、中旬に北緯23度、東経124度付近、下旬に北緯23度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた
先島諸島の南東では、下旬に北緯23.5度、東経125.5度付近に冷水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2019年1月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経143.5度付近 北緯40度、東経143度付近(図中A) 北緯39度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし 北緯40度、東経147.5度付近 北緯40.5度、東経147.5度付近(図中B)
その他の親潮系冷水の位置 北緯41度、東経148度付近 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年より西)(図中C) 東経142度付近(平年より西) 東経142.5度付近(平年より西)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36.5度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近)(図中D) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近)(図中D) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経144度付近)
その他の日本の東の海流 本州東方では、上旬、中旬に北緯38度、東経143.5度付近、下旬に北緯38度、東経143度付近に暖水渦が、月を通して北緯40.5度、東経146度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北西の北緯36.5度、東経133度付近から北北東に流れ、日本海南部の北緯38度、東経134度付近から東に流れ、能登沖の東経135度付近から北東に流れ、北緯38.5度、東経136度付近から南東に流れ、佐渡沖の北緯38度、東経137度付近から北に流れ、秋田沖の北緯40度付近から東に流れ、東経139.5度付近から北北東に流れて津軽海峡に達していた
若狭湾沖では反時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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