日本近海の海面水温（月概況）

令和元年9月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2019年8月)

  • 日本海北部、網走沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。
  • 日本海中部・南部では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中C)。
  • 関東南東方、伊豆諸島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。
  • 四国沖から紀伊半島の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中F)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。
  • 日本の南の北緯25度以南では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中H)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2019年8月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2019年8月）

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海北部、網走沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。これらの海域では、上旬に海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられましたが、中旬、下旬には寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。

日本海中部・南部では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。この海域では、上旬に平年より日射量が多かったことから、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられましたが、下旬には寒気の影響に加え、平年より日射量が少なかったことから、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中C)。北海道南東方では、7月下旬に引き続き、8月上旬は海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられましたが、中旬、下旬には寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。本州東方では、上旬に平年より日射量が多かったことから、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられましたが、下旬には寒気の影響に加え、平年より日射量が少なかったことから、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

関東南東方、伊豆諸島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。これらの海域では、上旬に平年より日射量が多かったことから、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられましたが、中旬には台風第10号の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

四国沖から紀伊半島の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。

東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中F)。この海域では、中旬に台風第9号の影響を受け、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、下旬には、暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。この海域では、上旬末に通過した台風第9号の影響を受けたため、中旬には海面水温が平年より低くなりました。

日本の南の北緯25度以南では、中旬に台風第10号の影響を受けたため、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中H)。

南鳥島近海では、下旬に日射量が平年より多く、風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中I)。

海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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