日本近海の海流(月概況)

令和2年9月23日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2020年8月)

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西170~190km付近を流れていました。都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31度、東経136.5度付近、中旬、下旬は北緯29.5度、東経137度付近となっていました。伊豆諸島付近では、上旬、中旬は三宅島と八丈島の間、下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は北緯40度、東経147度付近、中旬は北緯39.5度、東経146.5度付近、下旬は北緯39.5度、東経146度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年並となっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2020年8月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2020年8月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2020年8月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 180km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.8度、東南東 北緯29.6度、南東 北緯30.2度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31度、東経136.5度付近 北緯29.5度、東経137度付近 北緯29.5度、東経137度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯30.5度、東経137.5度付近、中旬に北緯30.5度、東経137度付近、下旬に北緯30度、東経137度付近に冷水渦がみられた
九州東方では、下旬に冷水渦がみられた
沖縄本島の南東では、上旬に北緯26度、東経128.5度付近、中旬に北緯25.5度、東経128.5度付近に冷水渦がみられた
南大東島の北東では、上旬に北緯27.5度、東経133.5度付近、中旬に北緯27.5度、東経133度付近、下旬に北緯27.5度、東経132.5度付近に暖水渦がみられた
宮古島の東から南東では、上旬に北緯24度、東経126度付近、中旬に北緯24.5度、東経126.5度付近、下旬に北緯24度、東経126.5度付近に暖水渦がみられた
石垣島の南西では、上旬、中旬に北緯23.5度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2020年8月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経147度付近 北緯39.5度、東経146.5度付近(図中A) 北緯39.5度、東経146度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯37度、東経143度付近から北緯39度、東経143度付近(図中B) 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並) 東経143.5度付近(平年並)(図中C) 東経144度付近(平年より東)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年並)(経度は146度付近)(図中D) 北緯37度付近(平年並)(経度は144度付近) 北緯37度付近(平年並)(経度は146度付近)(図中D)
その他の日本の東の海流 釧路沖では、上旬、下旬に北緯41度、東経145.5度付近、中旬に北緯41.5度、東経145.5度付近に暖水渦がみられた
日高沖では、月を通して北緯41.5度、東経142.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部の北緯35度、東経131度付近から北に流れ、北緯36度付近から東に流れ、東経132.5度付近から北東に流れ、隠岐の北の北緯37度、東経133.5度付近から時計回りに流れ、若狭湾沖の北緯37度、東経135度付近から北北東に流れ、能登沖の北緯38.5度、東経136度付近から東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139度付近から北に流れ、北緯40.5度付近から北東に流れて津軽海峡に達していた
檜山沖から留萌沖にかけて、北に向かう流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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