日本近海の海流(月概況)

令和3年2月22日 気象庁発表

診断(2021年1月)

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190~200km付近を流れていました。都井岬では、月を通して接岸して流れていました。足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31度、東経137度付近、中旬は北緯30.5度、東経138.5度付近、下旬は北緯30.5度、東経139度付近でした。伊豆諸島付近では、上旬は八丈島の南、中旬は三宅島と八丈島の間、下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、月を通して分枝構造がみられ、沿岸寄り分枝の南限位置は、上旬は北緯41.5度、東経143度付近、中旬は北緯41度、東経144.5度付近、下旬は北緯40.5度、東経144度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯40度、東経147度付近、中旬は北緯40度、東経146.5度付近、下旬は北緯40.5度、東経147.5度付近でした。
  • 親潮の面積は、上旬、中旬は平年より小さく、下旬は平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬、下旬は平年よりかなり強く、中旬は平年より強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2021年1月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2021年1月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2021年1月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 200km付近 190km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、南東 北緯30.2度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31度、東経137度付近 北緯30.5度、東経138.5度付近 北緯30.5度、東経139度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘にかけては、上旬に暖水域がみられた
熊野灘では、中旬に北緯33.5度、東経136.5度付近に暖水渦がみられた
東海沖では、月を通して北緯32.5度、東経137.5度付近に冷水渦がみられた
日本の南では、上旬に北緯28.5度、東経133度付近、中旬に北緯28.5度、東経132.5度付近、下旬に北緯29度、東経132.5度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の東では、上旬、中旬に北緯26.5度、東経129.5度付近に冷水域がみられた
石垣島の南西では、上旬に北緯23.5度、東経123.5度付近に冷水域がみられた
宮古島の南東から南では、上旬に北緯23.5度、東経127度付近、中旬に北緯23.5度、東経126.5度付近、下旬に北緯23度、東経125.5度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2021年1月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41.5度、東経143度付近(図中A) 北緯41度、東経144.5度付近 北緯40.5度、東経144度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経147度付近 北緯40度、東経146.5度付近(図中B) 北緯40.5度、東経147.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年より小さい 平年より小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 不明 不明 不明
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(経度は145度付近)(図中C) 北緯38.5度付近(平年より北)(経度は145度付近) 北緯38.5度付近(平年より北)(経度は144.5度付近)
その他の日本の東の海流 北海道東方では、上旬に北緯41.5度、東経147.5度付近、中旬に北緯41.5度、東経147度付近に暖水渦がみられた
釧路沖では、下旬に北緯41.5度、東経146.5度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、上旬に北緯39度、東経145.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、山陰沖東部の北緯37度、東経133.5度付近から南東に流れ、若狭湾沖の北緯36度、東経135度付近から北東に流れ、能登沖の北緯38度、東経137度付近から東に流れ、佐渡沖の東経138度付近から北に流れ、北緯39度付近から北北東に流れ、津軽沖の北緯41度、東経139.5度付近から東北東に流れて津軽海峡に達していた
日本海南部の北緯38度、東経134.5度付近では、時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年よりかなり強い 平年より強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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