日本近海の海面水温(月概況)

令和3年2月22日 気象庁発表

診断 (2021年1月)

  • 日本海北部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。
  • 北海道南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
  • 日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。
  • 本州東方、東海沖は、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。一方、四国・東海沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海では、海面水温がおおむね平年並か平年より低くなっていましたが(図中G)、九州西方と台湾の北方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中H)。
  • 沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中I)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中J)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年1月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年1月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海北部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。この海域では、上旬を中心に寒気や平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

北海道南東方では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。

日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。これらの海域では、上旬、中旬に寒気や平年より風が強かった影響により、中旬には海面水温が平年より低い海域が拡大しましたが、下旬に寒気の影響が弱く、平年より風が弱かったため、海面水温が平年より高い海域が拡大し、下層の暖水の影響もあって、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました。

本州東方、東海沖は、黒潮や下層の暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。これらの海域では、下旬に寒気の影響が弱かったため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。一方、四国・東海沖では、黒潮大蛇行の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。

関東南東方では、中旬、下旬に寒気の影響が弱く、平年より風が弱かったため、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。

東シナ海では、海面水温がおおむね平年並か平年より低くなっていましたが(図中G)、九州西方と台湾の北方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中H)。この海域では、上旬に寒気や平年より風が強かった影響により、中旬には海面水温が平年より低い海域が広くみられるようになりましたが、下旬に寒気の影響が弱く、平年より風が弱かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域もみられるようになりました。

沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中I)。これらの海域では、上旬、中旬に寒気と平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。沖縄の東では、下層の暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中J)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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