日本近海の海面水温(月概況)

令和3年6月21日 気象庁発表

診断 (2021年5月)

  • オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海、東シナ海北部では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中B)。
  • 釧路沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。
  • 本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海南部、沖縄の南、沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。
  • 父島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年5月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年5月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、上旬と下旬に平年より日射量が少なかったため、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。

日本海、東シナ海北部では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中B)。

釧路沖では、暖水渦の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。

本州東方では、黒潮系暖水や暖水渦の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。

関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。この海域では、4月下旬に引き続き5月上旬と中旬には海面水温が平年より低い海域が広くみられましたが、暖かく湿った空気や平年より日射量が多かった影響を受け、下旬には海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中F)。

東シナ海南部、沖縄の南、沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。これらの海域では、上旬は海面水温が平年より低くなっていましたが、上旬、中旬に平年より日射量が多かったことと暖かく湿った空気の影響で、中旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなりました。

父島近海では、平年より日射量が多く、上旬、中旬に平年より風が弱かった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。

南鳥島近海では、平年より日射量が多かったことにより、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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