日本近海の海面水温(月概況)

令和3年7月20日 気象庁発表

診断 (2021年6月)

  • オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。
  • 東シナ海北部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 東シナ海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。
  • 沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年6月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年6月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。この海域では、上旬には平年より風が強かった影響により、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていましたが、中旬以降は平年より日射量が多かった影響を受け、下旬には海面水温が平年より低い海域が縮小しました。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。

北海道南東方、本州東方では、黒潮系暖水や暖水渦の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。

四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。四国・東海沖から関東南東方にかけては、上旬は広い範囲で海面水温が平年より高い海域がみられましたが、中旬以降の寒気の影響や下旬の前線や台風第5号により平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より高い海域は縮小し、下旬には平年より低い海域が広くみられるようになりました。

東シナ海北部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。東シナ海北部の海面水温は、解析値のある1982年以降で6月として最も高くなりました。

東シナ海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。

沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。これらの海域では、5月下旬には海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、6月上旬の台風第3号による強風の影響に加え、中旬以降の前線や下旬の台風第5号の影響により平年より日射量が少なかったことから、中旬には、海面水温が平年よりかなり高い海域はほぼみられなくなり、下旬には平年より低い海域が広くみられるようになりました。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。これらの海域では、上旬には広い範囲で海面水温が平年より高い海域がみられましたが、中旬には平年より低い海域が拡大し、下旬の父島近海では平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。上旬に平年より日射量が少なかったことに加え、父島近海では 中旬以降の前線と下旬の台風第5号の影響で平年より日射量が少なかったことが要因と考えられます。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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