日本近海の海面水温(月概況)

令和3年12月20日 気象庁発表

診断 (2021年11月)

  • オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、釧路沖、三陸沖、関東の東では、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。
  • 山陰沖西部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 東シナ海、四国・東海沖、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられ、平年よりかなり低い海域もみられました(図中E)。一方、伊豆諸島北部から遠州灘、熊野灘にかけては、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。
  • 関東南東方、父島近海の北緯25度以北では、広い範囲で海面水温が平年より低く、関東南東方では、平年よりかなり低い海域もみられました(図中G)。
  • 沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中H)。
  • 父島近海の北緯25度以南、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年11月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年11月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、上旬に寒気が弱かったことや、平年より風が弱かった影響により、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海北部では、上旬と中旬に寒気が弱かったことや、平年より風が弱かった影響により、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。この海域の11月の海面水温は、解析値のある1982年以降で11月として最も高くなりました。

北海道南東方、本州東方では、上旬と中旬に寒気が弱かったことや、平年より風が弱かった影響により、広い範囲で海面水温が平年より高く、釧路沖、三陸沖、関東の東では、暖水渦や黒潮系暖水の影響もあり、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。

山陰沖西部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。

東シナ海、四国・東海沖、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられ、平年よりかなり低い海域もみられました(図中E)。これらの海域では、10月下旬には海面水温がかなり高い海域がみられましたが、11月上旬に平年より風が強かったことや、寒気の影響に加えて、沖縄の東では、中旬に平年より日射量が少なかった影響もあり、中旬には広い範囲で海面水温が平年より低くなりました。四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域もみられました。一方、伊豆諸島北部から遠州灘、熊野灘にかけては、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。

関東南東方、父島近海の北緯25度以北では、広い範囲で海面水温が平年より低く、関東南東方では、平年よりかなり低い海域もみられました(図中G)。

沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中H)。

父島近海の北緯25度以南、南鳥島近海では、上旬と中旬に平年より風が弱かったことに加え、中旬に暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中I)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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