日本近海の海面水温（月概況）

令和4年1月20日 気象庁発表

診断 (2021年12月)

  • オホーツク海南部、日本海北部、北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海南部では、能登沖で海面水温が平年より低く、山陰沖西部で平年より高くなっていました(図中B)。
  • 本州東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。
  • 東シナ海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中E)。一方、遠州灘から熊野灘にかけては、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。
  • 関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていました(図中G)。
  • 沖縄の東、沖縄の南の東経125度以東では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中H)。
  • 沖縄の南の東経125度以西では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中J)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2021年12月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2021年12月）

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、日本海北部、北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。これらの海域では、11月に海面水温が平年より高かったことに加えて、12月上旬の暖かい空気や平年より風が弱かった影響により、海面水温が平年より高い状態が続きましたが、12月後半は、寒気の影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。北海道東方、三陸沖では、暖水渦の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられました。

日本海南部では、能登沖で海面水温が平年より低く、山陰沖西部で平年より高くなっていました(図中B)。

本州東方では、暖水渦や黒潮系暖水の影響により、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。

東シナ海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。この海域では、11月下旬には海面水温が平年より低い海域がみられましたが、12月上旬と中旬に平年より風が弱かったため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中E)。一方、遠州灘から熊野灘にかけては、黒潮の影響で、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。

関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていました(図中G)。

沖縄の東、沖縄の南の東経125度以東では、上旬に寒気と平年より風が強かった影響を受け、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中H)。

沖縄の南の東経125度以西では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。

南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中J)。

海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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