日本近海の海面水温(月概況)

令和4年3月22日 気象庁発表

診断 (2022年2月)

  • 日本海では、北海道西方、朝鮮半島東方で、海面水温が平年より高い海域がみられました。一方、津軽沖から山陰沖にかけては、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、東経145度以西で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました 。一方、東経145度以東では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。一方、房総沖から熊野灘にかけては、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中D)。
  • 関東南東方、父島近海の北緯25度以北、南鳥島近海の北緯25度以北では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中E)。
  • 沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年2月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年2月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、北海道西方、朝鮮半島東方で、海面水温が平年より高い海域がみられました。一方、津軽沖から山陰沖にかけては、海面水温が平年より低い海域がみられ、下旬には寒気と平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より低い海域が拡大し、平年よりかなり低い海域もみられるようになりました(図中A)。

北海道南東方、本州東方では、東経145度以西で、親潮の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。一方、東経145度以東では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。

東シナ海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。この海域では、上旬には広い範囲で海面水温が平年より高くなっていましたが、中旬以降、寒気や平年より風が強く、日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。

四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響に加え、寒気の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。一方、房総沖から熊野灘にかけては、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中D)。

関東南東方、父島近海の北緯25度以北、南鳥島近海の北緯25度以北では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中E)。

沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。これらの海域では、上旬と中旬には海面水温が平年より高い海域もみられましたが、下旬には海面水温が平年より低い海域が拡大しました。これは、下旬に沖縄の東では寒気の影響、沖縄の南では平年より日射量が少なく、風が強かった影響を受けたためと考えられます。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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