日本近海の海面水温（月概況）

令和4年8月22日 気象庁発表

診断 (2022年7月)

  • オホーツク海南部では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。
  • 東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。
  • 四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。
  • 東シナ海南部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。
  • 沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。
  • 沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中H)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、南鳥島近海では平年よりかなり高い海域もみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2022年7月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2022年7月）

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、上旬から中旬にかけて平年より日射量が多かったため、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。この海域では、上旬に平年より日射量が多く、風が弱かったことに加え、暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなりましたが、中旬以降、平年より日射量が少なかったため、下旬には日本海中部・南部では海面水温が平年よりかなり高い海域はほぼみられなくなりました。

北海道南東方、本州東方では、上旬に平年より日射量が多かったことに加え、暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。北海道南東方の海面水温は、解析値のある1982年以降で7月として最も高くなりました。

東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。この海域では、上旬に平年より日射量が多かったため、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、中旬に平年より日射量が少なかったことに加え、風が強かった影響もあり、下旬には海面水温が平年よりかなり高い海域はみられなくなりました。

四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。これらの海域では、上旬には海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられましたが、上旬から中旬にかけて平年より日射量が少なかったことに加え、中旬に平年より風が強かった影響もあり、中旬には海面水温が平年より高い海域は縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。伊豆諸島北部から熊野灘にかけては、黒潮の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました。

東シナ海南部では、上旬と下旬に平年より日射量が多かったことに加え、下旬に平年より風が弱かった影響もあり、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。

沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。この海域では、６月下旬には広い範囲で平年より海面水温が高くなっていましたが、７月上旬の台風第4号の影響に加え、中旬に平年より日射量が少なかった影響もあり、中旬には海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。

沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中H)。この海域では、上旬に海面水温が平年より低い海域がみられましたが、下旬には平年より日射量が多く、風が弱かったため、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなりました。

父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、南鳥島近海では平年よりかなり高い海域もみられました(図中I)。

海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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