海面水温・海流(日本海)

平成25年4月30日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年4月下旬)

  • 日本海では、中部で海面水温が平年より低い状態が続いています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部を北東へ流れて隠岐の西に向かい、隠岐の北にみられる暖水の張り出しに沿って北上しています。北緯38度線付近からは暖水の張り出しに沿って東に向かい、佐渡の北からは北北東に流れています。

日本海の海面水温偏差分布図(4月29日)
日本海の海面水温偏差分布図(4月29日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。

この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

4月下旬の日本海は、平年では1℃ほど海面水温が上昇する時期ですが、日照時間が平年よりも多かったことなどから、海面水温は平年よりも上昇しました。その結果、中部では海面水温が平年より2℃以上低い海域が縮小しましたが、4月中旬に引き続き海面水温が平年より低い状態が続いています。北部と南部では海面水温が平年より低い海域が縮小し平年並の海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は、向こう1か月、平年より低いでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部を北東へ流れて隠岐の西に向かい、隠岐の北にみられる暖水の張り出しに沿って北上しています。北緯38度線付近からは暖水の張り出しに沿って東に向かい、佐渡の北からは北北東に流れています。津軽海峡西方からは北上する流れと、津軽海峡へ向かう流れに分かれています。

また、対馬海峡から朝鮮半島東岸に沿って北上する流れが北緯38度付近まで達しています。

対馬暖流の勢力は平年並です。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1985〜2010年の26年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(4月29日)
日本海の深さ100mの水温分布図(4月29日)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

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