海面水温・海流(日本海)

平成25年7月10日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年7月上旬)

  • 海面水温は、平年より2℃以上高い海域は縮小しましたが、平年より高い状態が続いています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れて隠岐の西に向かい、隠岐の北にみられる暖水域の張り出しに沿って北に流れ北緯39度付近まで達し、能登沖を東に流れ、東経137.5度付近から南下しています。能登半島の北からは北東へ流れ、佐渡沖からは秋田沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れています。

日本海の海面水温偏差分布図(7月9日)
日本海の海面水温偏差分布図(7月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

7月上旬の日本海の海面水温は、平年では1.5℃程度上昇する時期ですが、日本海中部・南部では強い風が吹いたため、海面水温は平年ほど上昇しませんでした。その結果、日本海中部・南部の海面水温は、平年より2℃以上高い海域は縮小しましたが、広い範囲で平年より高い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は、7月下旬には平年並になるでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部では北緯35.5度、東経130.5度付近の暖水域の張り出しに沿って流れて隠岐の西に向かい、隠岐の北にみられる暖水域の張り出しに沿って北に流れ北緯39度付近まで達し、能登沖を東に流れ、東経137.5度付近から南下しています。また、山陰沖東部から能登半島西方にかけて、岸に沿う流れがみられます。能登半島の北からは北東へ流れ、佐渡沖からは秋田沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れています。津軽沖からは北上する流れと、津軽海峡へ向かう流れに分かれています。

また、朝鮮半島東方には暖水渦がみられます。

対馬暖流の勢力は平年より強くなっています。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より強いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1985〜2010年の26年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(7月9日)
日本海の深さ100mの水温分布図(7月9日)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

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