海面水温・海流(日本海)

平成28年7月20日発表
日本海海洋気象センター

診断(2016年7月中旬)

  • 海面水温は、東経136度以西では平年より高い海域が縮小しました。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北西からは北北東に流れています。北緯38度付近からは南に流れ、若狭湾沖を反時計回りに流れています。能登沖の東経134.5度付近からは北に流れ、北緯39.5度付近からは東に流れています。秋田沖の東経139度付近からは北西に流れて、北緯41度付近からは東に流れて津軽海峡に達しています。

日本海の海面水温平年差分布図(7月19日)
日本海の海面水温平年差分布図(7月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

7月中旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1℃程度上昇する時期ですが、東経136度以西では日本海を通過した低気圧の影響で、平年より日照時間が少なく風が強かったため、海面水温が平年ほど上昇しませんでした。その結果、これらの海域では海面水温が平年より高い海域が縮小しました。また、北海道西方や檜山沖では、日照時間が多く風が弱かったため、海面水温が平年より大きく上昇しました。その結果、これらの海域では海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は、向こう1か月、日本海北部では平年並か平年より低く、北海道西方では平年並か平年より高いでしょう。日本海中部・南部では平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北西からは北北東に流れています。北緯38度付近からは南に流れ、若狭湾沖を反時計回りに流れています。能登沖の東経134.5度付近からは北に流れ、北緯39.5度付近からは東に流れています。秋田沖の東経139度付近からは北西に流れて、北緯41度付近からは東に流れて津軽海峡に達しています。津軽沖からは北に向かう流れもみられます。朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられます。

対馬暖流の勢力は平年より強くなっています。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より強いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(7月19日)
日本海の深さ100mの水温分布図(7月19日)

この図の水温は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

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