海面水温・海流(日本海)

平成28年7月29日発表
日本海海洋気象センター

診断(2016年7月下旬)

  • 海面水温は、津軽沖から山陰沖西部にかけて、平年より高い海域が大幅に縮小しました。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西からは北北東に流れています。北緯38度付近からは南に流れ、若狭湾沖を反時計回りに流れています。能登沖の東経134.5度付近からは北に流れ、北緯39.5度付近からは東に流れています。秋田沖の東経139度付近からは北西に流れ、津軽沖の北緯41度付近からは東に流れて津軽海峡に達しています。

日本海の海面水温平年差分布図(7月28日)
日本海の海面水温平年差分布図(7月28日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

7月下旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1.5℃程度上昇する時期ですが、津軽沖から山陰沖西部にかけての海域では、平年より日照時間が少なかったことや旬前半の強風の影響で、海面水温が平年ほど上昇しませんでした。その結果これらの海域では、海面水温が平年より高い海域が大幅に縮小し、平年並の海域が拡大しました。一方、サハリン西方および北海道西方では、平年より日照時間が多かったため海面水温が平年より大きく上昇し、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西からは北北東に流れています。北緯38度付近からは南に流れ、若狭湾沖を反時計回りに流れています。能登沖の東経134.5度付近からは北に流れ、北緯39.5度付近からは東に流れています。秋田沖の東経139度付近からは北西に流れ、津軽沖の北緯41度付近からは東に流れて津軽海峡に達しています。津軽沖からは北に向かう流れもみられます。朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられます。

対馬暖流の勢力は平年よりかなり強くなっています。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年より強いか、かなり強いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(7月28日)
日本海の深さ100mの水温分布図(7月28日)

この図の水温は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

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