表層混合層
表層混合層とは
冬季と夏季の水温鉛直分布の違い
海面付近には深さ方向に水温変化の少ない層があります。これを表層混合層といいます。冬季には海面で海水が冷却され、また海上を吹く風によって上層と下層の水が活発にかき混ぜられるため、厚い表層混合層が形成されます。夏季には、海面付近の海水が、日射により温められ、海面付近と下層の温度差が大きくなるため、表層混合層は薄くなります。
表層混合層の薄い夏季は、海面を出入りする熱が海面付近の薄い層の水温のみを変化させるため、熱の出入りに対し海面水温は敏感に変化します(上図a)。一方で表層混合層が厚くなる冬季には、海面を出入りする熱が厚い表層混合層全体の水温を変化させるため、海面水温の変化は比較的小さくなります(上図b)。
下の図は、表層混合層の厚さの1982年~2010年の29年間の平均です。日本近海において、夏季は10~20m程度であるのに対し、冬季は100mを超える海域が広がっています。
1982年~2010年で平均した表層混合層の厚さ(m)
左:夏季(7/22を中日とする半旬)の平均、右:冬季(2/27を中日とする半旬)の平均
海水の密度が、海面より0.5℃水温が低い海水の密度と等しくなる深さを、表層混合層の厚さと定義しています。