海面浮遊汚染物質(プラスチック類)
平成20年1月31日 気象庁発表
診断(2007年)
- 日本近海では2007年の冬季から夏季にかけて、100kmあたり50個以上の浮遊汚染物質(プラスチック類)が発見されました。
- 黒潮および黒潮続流域に近い海域でも、100kmあたり10~20個と、比較的多く発見されています。
2007年の海面浮遊汚染物質発見個数
(a) 冬季,(b) 春季,(c) 夏季,(d) 秋季
図中の“+(NIL)”は海面浮遊汚染物質が発見されなかったことを示します。
(a) 冬季,(b) 春季,(c) 夏季,(d) 秋季
図中の“+(NIL)”は海面浮遊汚染物質が発見されなかったことを示します。
解説
2007年の冬季から夏季にかけて、日本近海の一部で100kmあたり50個以上の浮遊汚染物質(プラスチック類)が発見されました。黒潮および黒潮続流域に近い海域でも、100kmあたり10~20個と、比較的多く発見されています。
海面浮遊汚染物質の発見個数を海域別にみると、日本周辺海域では1988年から1990年をピークとして、2000年頃までは漸減傾向となっていましたが、2000年代に入ってからは増加傾向にあります。 一方、東経137度線では1990年以降も減少傾向はみられず、北緯20度以南の海域では1996年以降にそれ以前よりも若干増加しています。
1988年は、マルポール条約の付属書Vにより船舶からのプラスチック類の排出規制処置が定められ、日本では海洋汚染防止法が改正された年にあたっています。日本周辺海域において1990年代に浮遊汚染物質が減少し始めたのはこの規制の効果と考えられます。