海面浮遊汚染物質(プラスチック類)
平成21年2月2日 気象庁発表
診断(2008年)
- 日本近海では2008年の冬季から夏季にかけて、100kmあたり20個以上の浮遊汚染物質(プラスチック類)が発見されました。
- 一方、東経137度線の北緯0~20度の海域では、冬季と春季には100kmあたり10個以上見つかることはありませんでしたが、夏季には100kmあたり300個以上の浮遊汚染物質が発見されました。
2008年の海面浮遊汚染物質発見個数
(a) 冬季,(b) 春季,(c) 夏季,(d) 秋季
図中の“+(NIL)”は海面浮遊汚染物質が発見されなかったことを示します。
(a) 冬季,(b) 春季,(c) 夏季,(d) 秋季
図中の“+(NIL)”は海面浮遊汚染物質が発見されなかったことを示します。
解説
2008年の冬季から夏季にかけて、日本周辺の一部の海域では、100kmあたり 20個以上 の浮遊汚染物質(プラスチック類)が発見されました。しかし、2007年の冬季から夏季にかけて発見された100kmあたり50個を超えるような多量の浮遊汚染物質は見られませんでした。
東経137度線の北緯0~20度の海域では、冬季と春季には100kmあたり10個以上見つかることはありませんでしたが、夏季には100kmあたり300個以上の浮遊汚染物質が発見されました。
海面浮遊汚染物質の発見個数を海域別にみると、日本周辺海域では1988年から1990年をピークとして、2000年頃までは漸減傾向となりました。2000年代に入ってからは、増加傾向にありましたが、2008年は減少し、2000年頃と同程度になりました。 一方、東経137度線では1990年以降も減少傾向はみられず、北緯20度以南の海域では1996年以降にそれ以前よりも増加しています。
1988年は、マルポール条約の付属書Vにより船舶からのプラスチック類の排出規制処置が定められ、日本では海洋汚染防止法が改正された年にあたっています。日本周辺海域において1990年代に浮遊汚染物質が減少し始めたのはこの規制の効果と考えられます。