海面浮遊汚染物質(プラスチック類)

平成22年2月1日 気象庁発表

診断(2009年)

  • 日本周辺海域ではいずれの季節も一部で10個/100kmを越える浮遊汚染物質(プラスチック類)が観測されており、特に夏季と秋季には50個/100kmを超える多量の浮遊汚染物質を観測しました。
  • 一方、北緯20度以南の海域では、発見個数が5個/100kmを超える観測は少ないものの、赤道付近の海域では、夏季に10個/100kmを超える浮遊汚染物質を観測しました。
2009年の海面浮遊汚染物質の分布
2009年の海面浮遊汚染物質発見個数
(a) 冬季,(b) 春季,(c) 夏季,(d) 秋季
図中の“+(NIL)”は海面浮遊汚染物質が発見されなかったことを示します。

解説

日本周辺海域ではいずれの季節も一部で10個/100km を越える浮遊汚染物質(プラスチック類)が観測されており、特に夏季と秋季には50個/100kmを超える多量の浮遊汚染物質を観測しました。 一方、北緯20度以南の海域では、発見個数が5個/100kmを超える観測は少ないものの、赤道付近の海域では、夏季に10個/100kmを超える浮遊汚染物質を観測しました。

海面浮遊汚染物質の発見個数を海域別にみると、日本周辺海域では1988年から1990年をピークとして、2000年頃までは漸減傾向となりましたが、2000年代に入ってからは、増加傾向にあります。 一方、東経137度線では1990年以降も減少傾向はみられず、北緯20度以南の海域では1996年以降にそれ以前よりも増加しています。

1988年は、マルポール条約の付属書Vにより船舶からのプラスチック類の排出規制処置が定められ、日本では海洋汚染防止法が改正された年にあたっています。 日本周辺海域において1990年代に浮遊汚染物質が減少し始めたのはこの規制の効果と考えられます。

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