浮遊タールボール

令和5年2月28日 気象庁発表

診断(2022年)

  • 2022年は、観測した全ての海域でタールボールは採取されませんでした。
2022年のタールボール密度
2022年のタールボール密度
図中の“+(NIL)”はタールボールが採取されなかったことを示します。

解説

気象庁では、海域面積 1m2 あたりの浮遊タールボールの重量を「タールボール密度」として診断を行っています。

2022年は、観測した全ての海域でタールボールは採取されませんでした。

海域別にみたタールボール密度の経年変化をみると、浮遊タールボールは、1980年代の初めまでは、日本周辺海域及び東経137度線の北緯20~30度で多く採取されました。 特に1979年には、両海域での平均値が 0.6mg/m2 を上回っていました。 しかし、マルポール条約(マルポール73/78条約)の付属書I(油による汚染の防止のための規則)に基づいて 船舶からの油類の排出が規制された1983年以降、タールボール密度は大幅に減少しました。 日本周辺海域では、1978年から1982年の5年平均が 0.29mg/m2 であったのに対し、条約発効後の1984年から1988年の5年平均は 0.08mg/m2 になっています。 1984年以降タールボールが採取される頻度は減少傾向が続き、2000年代以降は、採取されるタールボールの密度は 0.01mg/m2 を下回る年が多くなりました。2009年以降は、ほぼ 0.001mg/m2 を下回る年が続いています。 東経137度線の北緯20~30度でも、1984年以降タールボールが採取される頻度は減少傾向が続き、密度も 0.01mg/m2 を下回る年が多くなりました。1990年代半ば以降は、0.001mg/m2 を下回る年が多くなり、タールボールはまれにしか採取されていません。

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