地域海計画・北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)
1973年、国連環境計画(United Nations Environment Programme: UNEP)は、地域(海域)ごとに異なる環境問題の特性に応じた取り組みを実現するため、「地域海計画(Regional Seas Programme)」の採用を決定した。これは特定された海域を囲む関係諸国が、海洋汚染の防止や海洋環境の保全のために協定を締結するなどして地域的に協力するもので、研究、モニタリング、汚染制御、沿岸・海洋資源の開発に関し協力するための行動計画、概括的な公約を具体化する法的効力を有する協定、海洋投棄、緊急時の協力、保護すべき海域等の特定の事柄を取り扱った詳細な議定書などからなっている。
地域海計画を締結した関係諸国は、国際機関の支援を受けながら個々の地域海に即した行動計画を作成する。行動計画はUNEPのハイレベル政府間会合で採択されることになっており、1975年に地中海の行動計画が採択されたのをはじめ、2002年に採択された北東太平洋の行動計画まで、13海域で計画が推進されている。
日本は1994年、ロシア、韓国、中国とともに「北西太平洋地域海行動計画(北西太平洋地域海における海洋及び沿岸環境の保全、管理、開発に対する行動計画;略称NOWPAP)」を採択しており、この4カ国で様々な側面からの環境協力を進めることとしている。