海氷域面積の長期変化傾向(全球)

平成26年1月31日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年)

北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少傾向を示しています。特に、海氷域面積の年最小値は減少が顕著です。2013年までの減少率は9.2万平方キロメートル/年で、近年は減少率が大きくなる傾向にあります。
一方、南極域における海氷域面積は、1979年以降、長期的に増加傾向を示しています。2013年までの年平均値の増加率は、2.6万平方キロメートル/年となっています。

北極域の海氷域面積の経年変化(1979年~2013年)


南極域の海氷域面積の経年変化(1979年~2013年)
北極域(上)と南極域(下)の海氷域面積の経年変化(1979年~2013年)

折れ線は海氷域面積(上から順に年最大値、年平均値、年最小値)の経年変化、破線は各々の長期変化傾向を示す。



解説

北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少傾向を示しています。特に、年最小値は減少が顕著で、1979年から2013年までの減少率は9.2[7.3~11.0]万平方キロメートル/年(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)となっており、近年は減少率が大きくなる傾向にあります。北極域の海氷域面積の年最小値は2012年に観測史上最小の336万平方キロメートルとなりました。また、年平均値の1979年から2013年までの減少率は5.7[5.0~6.5]万平方キロメートル/年でした。
一方、南極域における海氷域面積は、1979年以降、長期的に増加傾向を示しています。海氷域面積の1979年から2013年までの増加率は、年平均値が2.6 [1.8~3.4] 万平方キロメートル/年、年最大値が3.0[1.8~4.1]万平方キロメートル/年となっています。
なお、2013年は南極域の海氷域面積の年最大値は、観測史上最大の2016万平方キロメートルとなりました。
北極域、南極域における海氷域面積の年々変動の要因については、各機関で研究が行われており、特に北極域の海氷域面積の減少については、気象の影響の他に海氷の厚さや海洋の影響などがあることが指摘されています。



備考

この「海氷域面積の長期変化傾向(全球)」の診断は、NSIDC(アメリカ雪氷データセンター)提供の観測データを解析した海氷域面積を用いています。2013年10月1日以降の海氷域面積については、速報値の観測データを解析しています。2013年7月1日から9月30日までの海氷域面積については、これまで速報値を解析していましたが、2014年1月31日に確定値を解析した値に更新しました。これにより、今回示した北極域の海氷域面積等は、2013年10月18日に発表した定期診断表「海氷域面積の長期変化傾向(北極域)」に記載した値と異なりますのでご注意ください。

このページのトップへ