海氷域面積の長期変化傾向(全球)

平成27年2月2日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2014年)

北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少傾向を示しています。特に、海氷域面積の年最小値は減少が顕著で、2014年までの減少率は8.9万平方キロメートル/年です。
一方、南極域における海氷域面積は、1979年以降、長期的に増加傾向を示しています。2014年までの年平均値の増加率は2.9万平方キロメートル/年で、年平均値と年最大値はともに観測史上最大となりました。

北極域の海氷域面積の経年変化(1979年~2014年)


南極域の海氷域面積の経年変化(1979年~2014年)
北極域(上)と南極域(下)の海氷域面積の経年変化(1979年~2014年)

折れ線は海氷域面積(上から順に年最大値、年平均値、年最小値)の経年変化、破線は各々の長期変化傾向を示す。



解説

北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少傾向を示しています。特に、海氷域面積の年最小値は減少が顕著で、1979年から2014年までの減少率は、8.9[7.1~10.7]万平方キロメートル/年(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)で、年最小値が過去最小だった2012年までの減少率9.3[7.4~11.3]万平方キロメートル/年と比べわずかに小さくなっています(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)。これは、2013年と2014年の海氷域面積が2007年以降では比較的大きかったためです。
一方、南極域における海氷域面積は、1979年以降、長期的に増加傾向を示しています。海氷域面積の1979年から2014年までの増加率は、年平均値が2.9[2.1~3.7]万平方キロメートル/年、年最大値が3.4[2.2~4.6]万平方キロメートルとなっています。
なお、2014年は南極域の海氷域面積は年平均値、年最大値とも観測史上最大となり、それぞれ1321万平方キロメートル、2085万平方キロメートル(ともに速報値)となりました。



備考

この「海氷域面積の長期変化傾向(全球)」の診断は、NSIDC(アメリカ雪氷データセンター)提供の観測データを用いています。2014年6月1日以降の海氷域面積については、速報値の観測データを解析しています。2014年1月1日から5月31日までの海氷域面積については、これまで速報値を解析していましたが、2015年2月2日に確定値を解析した値に更新しました。これにより、今回示した北極域及び南極域の海氷域面積等は、2014年1月31日に発表した定期診断表「海氷域面積の長期変化傾向(全球)」に記載した値と異なりますのでご注意ください。
なお、2014年10月~12月の海氷域面積の値は、2015年10月20日に予定している「海氷域面積の長期変化傾向(北極域)」の発表に合わせて更新する予定です。観測や解析の方法については、北極域と南極域の海氷解析の解説を参照してください。

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