海氷域面積の長期変化傾向(全球)
平成28年2月1日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2015年)
北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少しています。特に、海氷域面積の年最小値は減少が顕著で、1年当たりの減少率は北海道の面積にほぼ匹敵します。
一方、南極域における海氷域面積は、1979年以降、長期的に増加しています。
北極域(上)と南極域(下)の海氷域面積の経年変化(1979年~2015年)
折れ線は海氷域面積(上から順に年最大値、年平均値、年最小値)の経年変化、破線は各々の長期変化傾向を示す。
解説
北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少しています。 特に、海氷域面積の年最小値は減少が顕著で、1979年から2015年までの1年当たりの減少率は、9.0[7.3~10.7]万平方キロメートルとなっており、 この値は北海道の面積(8.3万平方キロメートル)にほぼ匹敵します(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(2013年)では、 1979年以降の北極域の海氷の減少に人為的影響が寄与していた可能性が非常に高い、 としています
一方、南極域における海氷域面積は、1979年以降、長期的に増加しています。 海氷域面積の1979年から2015年までの1年当たりの増加率は、年平均値が3.0[2.2~3.7]万平方キロメートル、年最大値が3.1[2.0~4.2]万平方キロメートルとなっています。
備考
この「海氷域面積の長期変化傾向(全球)」の診断は、NSIDC(アメリカ雪氷データセンター)提供の観測データを用いています。2015年7月1日以降の海氷域面積については、速報値の観測データを解析しています。
なお、2015年7月~12月の海氷域面積の値は、2016年10月20日に予定している「海氷域面積の長期変化傾向(北極域)」の発表に合わせて更新する予定です。観測や解析の方法については、北極域と南極域の海氷解析の解説を参照してください。