海氷域面積の長期変化傾向(オホーツク海)

平成17年10月25日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2005年)

 オホーツク海の海氷域面積には緩やかな減少傾向が見られます。しかし、長期的な変化傾向よりも10年程度の周期の変動のほうが大きく、北極域の海氷域面積のように明らかに減少傾向にあるとはいえません。
これは、オホーツク海の海氷が、北部で生成した海氷が風や海流によって運ばれる流氷で構成されることから、年々の大気の流れに大きく支配されるためです。
オホーツク海経年変化図

オホーツク海の海氷域の経年変化(1971~2005年)
積算海氷域面積は前年12月からその年の5月までの、5日毎の海氷域面積の合計値。青線は積算海氷域面積の平年値。赤折線は年毎の最大海氷域面積。橙線は最大海氷域面積の平年値。

解説

 1970年代初めからのオホーツク海の海氷域面積には、10年で平年値の4%程度の割合の緩やかな減少傾向が見られます。しかし、長期的な変化傾向よりも10年程度の周期の変動のほうが大きく、北極域の海氷域面積のように、近年になって相次いで過去最小値が更新されるというような、明白な減少傾向とはなっていません。
 これは、オホーツク海の海氷の大部分がオホーツク海北部で生成されて、それが風や海流に流されて南下する流氷であるため、その分布は気温だけでなく、風の状況に大きく左右されることによると考えられています。

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