海氷域面積の長期変化傾向(オホーツク海)

平成25年7月1日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年)

 オホーツク海の海氷域面積は年ごとに大きく変動していますが、長期的には緩やかに減少しています。最大海氷域面積(備考参照)は、10年あたり5.8万平方キロメートルの減少となっており、この値はオホーツク海の全面積の3.7%に相当します。また、積算海氷域面積(備考参照)は、10年あたり175万平方キロメートルの減少となっています。
 北海道オホーツク海沿岸では、稚内で昨年に引き続き流氷が観測されましたが、釧路では5年連続で流氷が観測されませんでした。

オホーツク海の海氷域面積の経年変化(1971~2013年)

オホーツク海の海氷域面積の経年変化(1971~2013年)

解説

長期変化傾向

オホーツク海の海氷域面積

 オホーツク海の海氷域面積は、地域的な気温、風や海水温の変化による影響を強く受けるため、年ごとに大きく変動していますが、長期的に見ると、最大海氷域面積は10年当たり5.8 [2.2~9.5] 万平方キロメートル(オホーツク海の全面積の3.7%に相当)の減少、積算海氷域面積は10年当たり175 [71~279] 万平方キロメートルの減少となっています(角括弧中の数字は95%の信頼区間を示す)。
 海氷域面積の変動に影響を及ぼす気象や海洋のメカニズムについては、地球温暖化の影響の評価も含めて現在も研究が進められています。今後も海氷域面積の長期的な変動を注意深く監視していく必要があります。


今シーズン(2012年12月~2013年5月)の状況

オホーツク海全体の状況

 今シーズン(2012年12月~2013年5月)のオホーツク海の海氷域面積は、12月と4月に平年より小さく、1月から3月にかけては概ね平年並から平年より小さく、5月後半は平年より大きく経過しました。
 オホーツク海北部・中部では寒気の流入が平年より弱く、海氷域面積が平年より小さく経過しましたが、オホーツク海南部では寒気の流入が平年より強かった時期があり、海氷域面積は平年並から平年より大きく経過しました。オホーツク海全域の海氷域面積が最大になったのは3月15日で、その値は平年(116.92万平方キロメートル)より小さい107.13万平方キロメートルでした。

北海道沿岸の海氷の状況

 網走では、流氷初日が平年より9日早い1月12日、流氷終日が平年より9日早い4月2日で、流氷期間は平年並の81日でした。また、稚内では昨年に引き続き流氷が観測され、流氷初日は平年より1日早い2月12日、流氷終日は平年より5日早い3月7日で、流氷期間は平年より4日短い24日でした。
 なお、釧路では5年連続で流氷が観測されませんでした。


備考

  • 積算海氷域面積 : 前年12月5日から5月31日までの期間において、各半旬の海氷域面積を合計した値。そのシーズンのオホーツク海の海氷の勢力をあらわす指標として用いています。
  • 最大海氷域面積 : 海氷域が年間で最も拡大した半旬の海氷域面積。
  • 診断に使用した資料 : 人工衛星等の観測資料をもとに、12月5日から5月31日までの期間、半旬(毎月5日、10日、15日、20日、25日および月末)ごとに、オホーツク海、日本海および渤海周辺の海氷の解析結果から求めた海氷域面積。

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