オホーツク海の海氷分布(年概況)
平成26年2月12日発表
気象庁 地球環境・海洋部
診断概要(2012/2013年)
トピック
2012/2013年 釧路では5年連続で流氷が観測されませんでした。
2012/2013年海氷期の概要
オホーツク海の海氷域面積は、5月後半に平年より大きくなったほかは、平年並か平年より小さく経過しました。 特に、12月前半と4月後半にはこれまでの最小値と同程度まで小さくなりました。(平年値の統計期間:1981~2010年)(図1)。 当シーズンの最大海氷域面積は3月15日の107.13万平方キロメートルで、最大海氷域面積の平年値(116.92万平方キロメートル)より下回りました。
北海道オホーツク海沿岸への流氷の到来は平年より早く、網走の流氷初日及び流氷接岸初日は平年より早くなりました。 稚内の流氷初日は平年並でした。釧路では5年連続で流氷が観測されませんでした。流氷の後退は平年より早く、 網走の流氷終日は平年より早くなりました(表1)。
地点 | 流氷 | 流氷接岸初日 | 海明け | ||
---|---|---|---|---|---|
初日 | 終日 | 期間 | |||
稚内 | 2.12 (-1) | 3. 7 (-5) | 24 (-4) | --- | * |
網走 | 1.12 (-9) | 4. 2 (-9) | 81 (0) | 1.17 (-16) | 3.13 (-7) |
釧路 | --- | --- | --- | --- | * |
1. オホーツク海の海氷状況
2012年11月
11月上旬にオホーツク海北西部のシャンタル諸島西方海域及びオホーツク海北岸、11月中旬に間宮海峡、11月下旬にサハリン北東岸で結氷が始まりました。
2012年12月
12月は、オホーツク海では発達した低気圧が次々と通過し、オホーツク海の気温や海水温は、おおむね平年より高めで経過しました。
そのため、オホーツク海の海氷域面積は12月を通して平年より小さく経過し、12月10日は1971年の統計開始以来最小となりました。
しかし、12月中旬から12月下旬にかけてオホーツク海南部に寒気が入ったため、 サハリン東岸の海氷域の南端は、12月末には平年並の位置の北緯47度付近に達しました。
2013年1月
オホーツク海の海氷域面積は、1月上旬に南部を中心に強い寒気が流入した影響で急速に拡大し平年並となりました。
1月中旬以降は、オホーツク海北部を中心に寒気の流入が平年より弱かったため、平年より小さく経過しました。
オホーツク海南部では1月上旬に強い寒気が流入したことと、北よりの強い風の吹く日が月を通じて多かったため、海氷域は平年より早く南下しました。
2013年2月
オホーツク海の海氷域面積は、引き続き平年より小さく経過しました。オホーツク海上空に暖かい空気が入り一時的に海氷域が融解しましたが、その後海氷域は拡大し、
2月下旬に海氷域面積は平年並になりました。
2013年3月
オホーツク海中部・南部では西よりの風が吹く日が多く、海氷域は東に拡大し、3月下旬にはウルップ海峡から太平洋に流出しました。
オホーツク海の海氷域面積は引き続きおおむね平年並で経過し、3月15日には今シーズン最大の107.13万平方キロメートルに達しました。
2013年4月
オホーツク海の海氷域面積は4月を通して平年より小さく経過し、4月25日は1971年の統計開始以来最小となりました。
オホーツク海南部では、海氷域は4月上旬には平年より東に分布し、ウルップ海峡から太平洋への流出がみられましたが、
その後、海氷の融解が急速に進み、海氷域の南端は4月末には平年より北の北緯48.5度付近まで後退しました。
2013年5月
5月上旬のオホーツク海の海氷域面積は、引き続き平年より小さく経過しました。しかし、5月中旬以降は海氷の融解が遅れたことにより、
海氷域面積は平年より大きく経過しました。
2013年6・7・8月
6月中旬にはサハリン東海上の海氷、8月上旬にはシャンタル諸島付近の海氷もすべて融解しました。
2. 北海道オホーツク海沿岸の海氷状況
2013年1月
オホーツク海では、1月上旬に強い寒気が流入したことと、平年と比べ北よりの風が強く吹く日が月を通じて多かったことから、
海氷域は平年より早く南下しました。 1月中旬から1月下旬にかけて、北海道オホーツク海側の広い範囲で海氷が接岸しました。
また、1月下旬には国後島への接岸や宗谷海峡から日本海への海氷の小規模な流出がみられました。
網走では平年より9日早い1月12日に流氷初日を、また平年より16日早い1月17日に流氷接岸初日を観測しました。
2013年2月
北海道オホーツク海沿岸では、2月上旬に上空に暖かい空気が入り一時的に海氷は融解しましたが、
その後再び海氷域は拡大し、北海道オホーツク海沿岸に接岸する状況が続きました。
国後水道からは2月を通じて、珸瑶瑁(ごようまい)水道からは2月中旬以降太平洋へ海氷が流出しました。
また、2月中旬以降断続的に宗谷海峡から日本海に海氷が流出しました。 稚内では平年より1日早い2月12日に流氷初日を観測しました。
2013年3月
北海道オホーツク海側沿岸の海氷は、3月上旬までは広い範囲で接岸しましたが、3月中旬以降は、西よりの風が吹く日が多く、
知床半島北西岸を除きおおむね離岸しました。海氷の太平洋への流出は、上旬は珸瑶瑁(ごようまい)水道と国後水道で、
3月中旬と3月下旬は国後水道と択捉海峡で、それぞれみられました。また、3月上旬には宗谷海峡から日本海への海氷の流出もみられました。
網走の海明けは平年より7日早い3月13日で、稚内の流氷終日は平年より5日早い3月7日となりました。
2013年4月
北海道オホーツク海沿岸の海氷は4月上旬に知床半島の一部と国後島、択捉島で接岸し、国後水道、択捉海峡から太平洋への流出がみられましたが、
その後、海氷の融解が進み、沖合に後退しました。網走の流氷終日は平年より9日早い4月2日となりました。