オホーツク海の海氷分布(年概況)

令和3年6月30日 気象庁発表

診断概要(2020/2021年)

トピック

オホーツク海の最大海氷域面積は平年並でした。

2020/2021年海氷期の概要

オホーツク海全域の海氷域面積は、12月上旬から中旬までと2月中旬後半から下旬前半までは平年より小さく、その他の期間はおおむね平年並で経過しました(図1)。2月中旬後半に発達した低気圧がオホーツク海南部をゆっくりと通過した影響で、海氷域はオホーツク海全域で一時、大きく縮小しました。
当シーズンのオホーツク海の最大海氷域面積は、3月10日に記録した114.85万平方キロメートルで、平年並となりました。
北海道オホーツク海沿岸における海氷の観測状況は、網走で流氷初日、流氷終日ともに平年より早くなりました。稚内と釧路では流氷は観測されませんでした。釧路では4年連続で流氷は観測されていません。
オホーツク海の海氷域面積(2020年11月~2021年7月)
年別経過図の凡例

図1 オホーツク海の海氷域面積(2020年11月~2021年7月)


表1 流氷に関する現象の初終日一覧表(2020年12月~2021年5月)
地点 流氷 流氷接岸初日 海明け
初日 終日 期間
稚内 --- --- --- ---
網走 1.17 (-4) 3.28 (-14) 71 (-10) 1.31 (-2) 3.5 (-15)
釧路 --- --- --- ---
( +n )
平年(1981~2010年の平均値)との差。平年よりも n 日遅い(または長い)
( –n )
平年(1981~2010年の平均値)との差。平年よりも n 日早い(または短い)
    *    
観測(または統計)項目にない
  –––
現象が発生しなかった

1. オホーツク海の海氷状況

2020年11月

11月上旬にシャンタル諸島付近、間宮海峡、シェリホフ湾及びオホーツク海北岸で、また11月下旬にはサハリン東岸でそれぞれ結氷が始まりました。

2020年12月

オホーツク海では例年結氷が始まる10月下旬以降、北部を中心に12月中旬まで気温が平年より高く経過したため海氷域の拡大が進まず、海氷域面積は12月中旬まで平年より小さく経過しました。12月下旬に強い寒気の吹き出しがあり、海氷域面積は平年並となりました。

2021年1月

オホーツク海では前月から引き続き全域で海氷域の拡大が進み、オホーツク海全域の海氷域面積は1月を通して平年並の範囲で推移しました。

2021年2月

2月上旬から中旬前半にかけて、低気圧の影響で暖気が流入しオホーツク海北部では海氷が融解しましたが、中部・南部では海氷域は東に拡大し、オホーツク海全域の海氷域面積は平年並で経過しました。2月中旬後半には発達した低気圧がオホーツク海南部をゆっくりと通過した影響で、海氷域はオホーツク海全域で大きく縮小し、海氷域面積は平年より小さくなりました。その後、海氷域は再び拡大し、2月の終わりには平年並になりました。

2021年3月

3月上旬はオホーツク海北部を中心に寒気や西風の影響を受け海氷域の拡大が進みました。中旬以降は暖気の流入により気温が平年より高く経過し、南部を中心に海氷の融解が進んだことによりオホーツク海全域の海氷域面積は減少に転じましたが、月を通して平年並の範囲で推移しました。
今シーズンのオホーツク海の最大海氷域面積は、3月10日に記録した114.85万平方キロメートルで、最大海氷域面積としては平年並でした。
また、オホーツク海南部では3月上旬、中旬に海氷の一部がウルップ海峡から太平洋へ流出しました。

2021年4月

オホーツク海では、4月上旬、中旬はおおむね全域で気温が平年より高く海氷の融解が進み、オホーツク海全域の海氷域面積はおおむね平年より小さく経過しました。下旬は寒気の影響により海氷の融解が緩やかになり、オホーツク海全域の海氷域面積は平年並で経過しました。

2021年5月

オホーツク海では海氷の融解が進み、オホーツク海の海氷域面積はおおむね平年並で経過しました。

2021年6・7月(8月10日追記)

6月中旬にサハリン東岸の海氷、7月下旬にシャンタル諸島付近の海氷は、すべて融解しました。


2. 北海道オホーツク海沿岸の海氷状況

2020年12月

サハリン東岸の海氷域は12月中旬までおおむね平年並に南下していましたが、12月下旬に強い寒気を伴う北風の影響を受けて南下が進み、12月31日時点の海氷域の南端は平年より南の北緯45.8度付近となりました。

2021年1月

オホーツク海南部では、1月上旬は冬型の気圧配置により北風の吹く日が多かったため、海氷は一時、北海道オホーツク海側の一部海岸や知床岬から10~20キロメートルまで接近したものの、海岸まで到達することなく融解しました。 その後、海氷は再び南下し、網走では平年より4日早い1月17日に流氷初日、平年より2日早い1月31日に流氷接岸初日となりました。
1月下旬には海氷の一部が根室海峡に流入しました。また一部は宗谷海峡から日本海へ流出しましたが、一時的でした。

2021年2月

2月上旬に海氷は北海道オホーツク海側の広い範囲で接岸しました。2月中旬には発達した低気圧の影響で、海氷は知床半島を除く広い範囲で海岸から離れましたが、2月下旬には、再び海岸に近づき広い範囲で接岸しました。
2月上旬以降、海氷の一部は根室海峡に流入し、また一部は国後水道から太平洋へ流出しました。2月上旬と中旬には一時的に宗谷海峡にも流入しました。

2021年3月

3月上旬から中旬にかけて、北海道周辺では知床半島付近を除き、海氷が沖合に離れる所が多くなりました。 中旬後半には低気圧による北風により、海氷は北海道オホーツク海側の海岸に近づき所々で接岸しましたが、下旬は南風の吹く日が多く、海氷の融解が進みました。 国後水道から太平洋への海氷の流出は3月下旬まで続きました。3月中旬には海氷の一部が択捉海峡から太平洋へ流出し、また下旬には宗谷海峡から日本海へ流出しましたが、いずれも一時的でした。
網走では3月5日に平年より15日早い海明け、3月28日に平年より14日早い流氷終日となりました。

2021年4月

オホーツク海南部の海氷は融解が進み、北緯46度以南の海氷は4月末にはすべて融解しました。

このページのトップへ