潮汐観測資料 解説

このホームページに掲載している潮汐観測資料は、気象庁が潮汐の観測を行っている検潮所等において実際に観測した潮位(実測潮位)をもとに作成したものです。潮位の予測値(天文潮位)については、潮位表をご覧下さい。また、最新の潮位の実況(昨日・今日・明日の実測潮位および天文潮位)については、潮位観測情報をご覧下さい。

気象庁では、津波・高潮・異常潮位および長期的な海面水位の変動等に対する沿岸防災のために、さらにそれらの現象を検出するための潮位の平常状態を把握するために、また精度の良い潮位の予測を行うために、全国各地で潮汐の観測を行っています。潮汐の観測は検潮儀(フロート式、音波管式、電波式)、津波観測計(音波式、音波管式、電波式)、遠地津波観測計を用いて行っています。各潮汐観測地点において用いている観測方式は、観測地点一覧表にそれぞれ掲載しています。

ここに掲載している潮位は、副振動や波浪等による影響を除去するために平滑化した潮位(平滑値)の、観測基準面からの高さをcm単位で表したものです。 観測基準面の標高は各潮汐観測地点ごとに異なり、観測地点一覧表及び各地点の潮汐観測資料のページの上部に「観測基準面の標高」として掲載しています。観測基準面は、潮位表に掲載されている天文潮位の基準(潮位表基準面)とは異なりますので注意してください。標高の基準として東京湾平均海面(TP)を用いていますが、離島など一部の地点では、国土地理院による高さの基準やその地点における平均潮位(MSL)等を用いています。潮位を観測基準面表示から標高表示にする場合は、画面の指示に従って切り替えてください。なお、「観測基準面の標高」は、測量成果の反映およびMSLの推移等により毎年更新されますので注意して下さい。

また、時刻は、全て日本標準時(JST)によって掲載しています。

なお、潮汐観測資料は、翌日の昼頃に速報値を掲載し、翌月の20日頃に確定値を掲載します。速報値は、品質管理を行った結果、確定後に異なる値となることがありますので注意してください。

毎時潮位

ここに掲載している毎時潮位は、平滑値の1時間ごとの値です。

毎時潮位が欠測の場合は、該当する時刻の欄を「-」とします。

また、表の他にテキストデータも掲載しています。表の下部に記載している「テキストデータはこちら」からリンクしています。テキストデータのフォーマットも併せてご覧下さい。

なお、グラフは毎時潮位のデータを元に作成しています。満潮・干潮における高さは、グラフに反映されませんので注意してください。

平滑化した潮位(平滑値)とは

平滑値とは、実測潮位から副振動や津波、波浪などの周期が約3時間までの成分を除いた潮位です。海面の高さをサンプリングした生のデータから、数値的にフィルター処理を行って算出します。
平滑化の例
平滑化の例 2009年6月12日 枕崎

満潮・干潮

ここに掲載している満潮(干潮)は、平滑値の、極大値(極小値)の時刻および潮位です。

潮位は、月の運行に伴い、通常、1日2回の満潮および干潮を繰り返しますが、場所や時期によっては、1日1回の場合や、3回以上現れる場合もあります。

満潮・干潮が欠測の場合は、該当する満潮・干潮の欄を「-」とします。

該当する満干潮が存在しない場合は、満潮・干潮の欄を「*」とします。

月の状態が、朔(新月)、下弦の月、望(満月)、上弦の月に該当する日には、以下のマークを記載しています。

  • 朔(新月) : 朔 (新月)
  • 上弦の月 : 上弦の月
  • 望(満月) : 望 (満月)
  • 下弦の月 : 下弦の月

また、表の他にテキストデータも掲載しています。 表の下部に記載している「テキストデータはこちら」からリンクしています。テキストデータのフォーマットも併せてご覧下さい。
なお、速報値については、満潮・干潮のデータを掲載しません。

毎時潮位偏差

潮位は、低気圧(高気圧)の通過時に高く(低く)なるなど、様々な要因によって天文潮位とは異なった観測値を示します。ここに掲載している潮位偏差は、平滑値と天文潮位の差で定義したもので、単位はcmで表します。

潮位偏差が正となるものは平滑値が天文潮位よりも高い(正偏差)ことを示し、潮位偏差が負となるものは平滑値が天文潮位よりも低い(負偏差)ことを示しています。

ただし、潮位表基準面と観測基準面は異なりますので、潮位表と実測潮位をそのままの数値で比較しても潮位偏差とはなりません。それぞれを標高に変換し比較する必要があります。

毎時潮位偏差が欠測の場合は、該当する時刻の欄を「-」とします。

また、表の他にテキストデータも掲載しています。 表の下部に記載している「テキストデータはこちら」からリンクしています。 テキストデータのフォーマットも併せてご覧下さい。

なお、グラフは毎時潮位偏差のデータを元に作成しています。

月統計値

月平均潮位
観測された毎時潮位の1か月の平均値を記載しています。 1か月の間に240時間未満の欠測が含まれる場合は、天文潮位を考慮して月平均潮位を計算しています。 その際、月平均潮位の前に「*」を付けています。 なお、1か月の間に240時間以上の欠測が含まれる場合は、月平均潮位の欄は「-」としています。
月最高潮位(月最低潮位)
その月に観測された満潮(干潮)の潮位のうち、最高(最低)を記録したものを記載しています。 その月の毎時潮位、満潮(干潮)に欠測がある場合は、月最高潮位(月最低潮位)の前に「*」を付けています。 なお、月最高潮位(月最低潮位)となる満潮(干潮)を複数回記録した場合は、回数の欄にその回数を掲載し、起時の欄には最後に月最高潮位(月最低潮位)を記録した満潮(干潮)の時刻を掲載しています。
月最大潮位偏差(過高・過低)
その月に観測された毎時潮位偏差のうち、高い(低い)方に最大を記録したものを記載しています。 その月の毎時潮位偏差に欠測がある場合は、月最大潮位偏差(過高・過低)の前に「*」を付けています。 なお、月最大潮位偏差(過高・過低)となる潮位偏差を複数回記録した場合は、回数の欄にその回数を掲載し、起時の欄には最後に月最大潮位偏差(過高・過低)を記録した毎時潮位偏差の時刻を掲載しています。月最大潮位偏差(過高)と月最大潮位偏差(過低)の符号が同じ場合は、その月に観測された毎時潮位は常に天文潮位より高かった(低かった)ことを示します。

なお、速報値については、月統計値のデータを掲載しません。

観測地点一覧表

観測地点一覧表は、各潮汐観測地点の緯度、経度、観測の方式および観測基準面についてまとめたものです。

観測の方式
検潮儀(フロート式)を利用している場合は「フロート式」、遠地津波観測計の場合は「水圧式」、津波観測計(音波式)の場合は「音波式」、津波観測計(電波式)及び検潮儀(電波式)の場合は「電波式」を、それぞれ掲載地点一覧表の観測の方式の欄に記載しています。
検潮所外観 検潮儀(フロート式) 遠地津波観測計 津波観測計(音波式) 津波観測計(電波式) 検潮儀(電波式)
検潮所外観 検潮儀(フロート式) 遠地津波観測計 津波観測計(音波式) 津波観測計(電波式) 検潮儀(電波式)
球分体
球分体とは検潮所の井戸縁に埋設している鋲のことで、井戸の内部に設定されている観測基準面のかわりに測量に用います。観測地点一覧表の「基準面上の高さ」の欄は、観測基準面から球分体の頭までの高さです。「標高」の欄は、最寄りの国土地理院一等水準点から直接水準測量により決定した 標高の基準(下図「基準面関係図」の場合はTP)から球分体の頭までの高さです。潮位を標高で表す場合は、球分体の観測基準面からの高さと標高の基準からの高さの差を用いて換算します。 なお、津波観測計(音波式・電波式)においては、球分体の高さは音波センサー、または電波センサーの高さとし、遠地津波観測計(南鳥島)の観測地点の球分体の「基準面上の高さ」「標高」の欄は、「-」とします。
検潮井戸と球分体
検潮井戸と球分体
基準面関係図
基準面関係図

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