海洋気象観測船による観測(令和4年5月30日~6月1日)
令和4年6月6日 気象庁発表
観測結果
気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」は、5月30日~6月1日に図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。
図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表しています。黒潮の強い流れは、B点(北緯34.3度、東経139.3度、2.8ノット)、D点(北緯33.3度、東経137.1度、2.4ノット)、F点(北緯31.0度、東経136.0度、3.3ノット)で観測されました。
図2は、A点からC点を結ぶ観測ライン及びE点からG点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。強い流れが観測された海域(B点及びF点付近)では水温の水平勾配が大きくなっています。
図2では、E点からF点にかけて北緯32度を中心に、水温5℃付近の等温線が上に凸の構造を示しています。これは、図3にみられる黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響であると考えられます。図1のE点では、冷水渦の北縁の西向きの流れが観測されました。
図1:海洋気象観測船「啓風丸」が観測した海流(令和4年5月30日~6月1日)
赤い細実線は啓風丸の航路を、黒い矢印は海流の速さと向きを表します。
青い太破線は気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした黒潮の位置を示します。
図2:水温の深さ方向の分布(左:E点からG点、右:A点からC点)
啓風丸による令和4年5月30日~6月1日の観測結果を示します。
図中のA~Gの記号は図1に対応します。
図3:黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和4年5月31日)
海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示しています。
図中のE及びGの記号は図1に対応します。