海洋気象観測船による観測(令和5年9月8日~9月16日)

令和5年9月21日 気象庁発表

観測結果

気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」は、9月8日~9月16日に図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。

図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表します。黒潮の強い流れは、B点(北緯30.7度、東経137.0度、3.4ノット)とD点(北緯31.8度、東経135.9度、2.8ノット)で観測されました。

図2は、A点からC点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。北緯31度から北緯30度付近の水温の水平勾配が大きくなっており、黒潮の強い流れが観測された海域(B点付近)の深さ200m以深で、特に水温の水平勾配が大きくなっています。

図2では、北緯33度から北緯31度付近を中心に、水温の等温線が上に凸の構造を示しています。これは図3で見られる黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響であると考えられます。

海流

図1 海洋気象観測船「啓風丸」が観測した海流(令和5年9月8日~9月16日)

赤色の細実線は啓風丸の航路を、黒色の矢印は海流の速さと向きを表します。
青色の太破線の矢印は、気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした9月16日頃の黒潮の位置を示します。

水温

図2 水温の深さ方向の分布

啓風丸による令和5年9月8~9日(北緯31度以北)、9月15~16日(北緯31度以南)の観測結果を示します。
図中のA~Cの記号は、図1に対応します。

400m水温

図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和5年9月16日)

海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中のA~Cの記号は、図1に対応します。

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