海洋気象観測船による観測(令和6年2月3日~2月5日)
令和6年2月7日 気象庁発表
観測結果
気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」は、2月3日~2月5日に図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。
図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表します。黒潮の強い流れは、B点(北緯30.9度、東経137.0度、3.6ノット)で観測されました。
図2は、A点からC点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。北緯31度付近の水温の水平勾配が大きくなっており、黒潮の強い流れが観測された海域(B点付近)の深さ200m以深で、特に水温の水平勾配が大きくなっています。
図2では、北緯34度付近から北緯31度付近までの深さ300m以深で水温10℃以下の構造を示しています。これは図3で見られる黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響であると考えられます。
図1 海洋気象観測船「啓風丸」が観測した海流(令和6年2月3日~2月5日)
赤色の細実線は啓風丸の航路を、黒色の矢印は海流の速さと向きを表します。
青色の太破線の矢印は、気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした2月4日頃の黒潮の位置を示します。
図2 水温の深さ方向の分布
啓風丸による令和6年2月3~5日の観測結果を示します。
図中のA~Cの記号は、図1に対応します。
図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和6年2月4日)
海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中の黒線は図2で示した分布図の位置を示します。図中のA~Cの記号は、図1、図2に対応します。