海洋気象観測船による観測(令和6年3月9日~3月11日)
令和6年3月14日 気象庁発表
観測結果
気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」は、3月9日~3月11日に図1のA点からJ点の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。
図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表します。黒潮の強い流れは、C点(北緯30.9度、東経133.0度、3.9ノット)、E点(北緯32.0度、東経134.8度、1.9ノット)、F点(北緯32.0度、東経136.0度、3.0ノット)、G点(北緯32.0度、東経139.0度、3.2ノット)、I点(北緯33.9度、東経139.8度、3.0ノット)で観測されました。
図2は、航路上のB点からD点を結ぶ観測ラインとD点からH点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。黒潮の強い流れが観測された海域(C点、E点、F点、G点付近)の深さ200m以深で、特に水温の水平勾配が大きくなっています。
図2のD点からH点の観測ラインでは、東経136度付近から東経139度付近までの深さ400m以深で水温10℃以下の構造を示しています。これは図3で見られる黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響であると考えられます。
図1 海洋気象観測船「啓風丸」が観測した海流(令和6年3月9日~3月11日)
赤色の細実線は啓風丸の航路を、黒色の矢印は海流の速さと向きを表します。
青色の太破線の矢印は、気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした3月10日頃の黒潮の位置を示します。
図2 水温の深さ方向の分布(左:図1のB点~D点の観測ライン 右:図1のD点~H点の観測ライン)
啓風丸による令和6年3月9~11日の観測結果を示します。
図中の記号は、図1に対応します。
図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和6年3月10日)
海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中の黒線は図2で示した分布図の位置を示します。図中の記号は、図1、図2に対応します。