海洋気象観測船による観測(令和6年12月10日~12月20日)(黒潮続流)
令和7年1月15日 気象庁発表
観測結果
気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」は、12月10日~20日に図1に示した航路に沿って黒潮続流の観測を実施しました。
図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表します。黒潮続流とみられる強い流れが、a点(北緯34.6度、東経139.8度、2.9ノット)、b点(北緯35.6度、東経141.4度、3.4ノット)、c点(北緯37.0度、東経141.9度、3.2ノット)、d点(北緯38.5度、東経142.4度、2.9ノット)、e点(北緯39.0度、東経143.0度、3.7ノット)、f点(北緯39.0度、東経146.3度、4.5ノット)、g点(北緯37.3度、東経144.9度、3.5ノット)、h点(北緯37.0度、東経143.8度、3.5ノット)で観測されました。
図2と図3は、航路上の北緯39度に沿った観測ライン(ア点からイ点)と北緯37度に沿った観測ライン(ウ点からエ点)の海洋内部の水温と塩分を示します。 水温は、北緯39度のラインでは東経143度付近から東経146度付近まで、北緯37度のラインでは東経142度付近から東経143.5度付近まで、周囲より高く等温線が下に凸の構造を示し、黒潮続流の強い流れが観測された付近で水温の水平勾配が大きくなっています。 塩分は、水温と同様の範囲で周囲より高くなっており、黒潮系の水塊が含まれていることを示しています。 これは、図4で見られるように黒潮続流の北上の影響によるものです。
図1 海洋気象観測船「凌風丸」が観測した海流(令和6年12月10日~12月20日)
青色の細実線は凌風丸の航路を、黒色の矢印は海流の速さと向きを表します。
青色の太破線の矢印は、気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした12月15日頃の黒潮続流の位置を示します。
図2 水温・塩分の深さ方向の分布(北緯39度に沿ったライン)
凌風丸による令和6年12月14日から19日の観測結果を示します。
左は水温、右は塩分の値を示します。図中の記号は、図1に対応します。
図3 水温・塩分の深さ方向の分布(北緯37度に沿ったライン)
凌風丸による令和6年12月12日から17日の観測結果を示します。
左は水温、右は塩分の値を示します。図中の記号は、図1に対応します。
図4 黒潮・親潮域の深さ200mの水温分布図(令和6年12月15日)
海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中の赤線は図2と図3で示した分布図の位置を示します。図中の記号は、図1に対応します。