海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

令和4年3月18日 福岡管区気象台発表

診断(2022年3月中旬)

  • 東シナ海では、海面水温が平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域もみられます。
  • 奄美群島の東では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
  • 九州の東では、海面水温が平年よりかなり低い海域はほぼみられなくなりましたが、引き続き、広い範囲で平年より低くなっています。
  • 黒潮は、都井岬では離岸して流れています。
  • 奄美群島の南東の北緯27.5度、東経130度付近に冷水渦がみられます。
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(3月17日) 九州・山口県周辺海域の深さ50mの海流分布図(3月17日)
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(左図)と深さ50mの海流分布図(右図)(3月17日)

左図は海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。内湾域等は、薄い灰色で示しています。
右図は深さ50mの海流分布図で、海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示しています。 0.2ノット(1ノット≒0.5m/s、図ではktと表記しています。)以上の流れの向きを矢印で示しています。流速は、図の右にあるスケールを参照してください。

これらの図は速報値で作成しています。九州・山口県周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

東シナ海では、暖かく湿った空気と平年より風が弱かったことに加え、東シナ海南部では日射量が多かった影響もあり、海面水温が平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域もみられます。

奄美群島の東では、平年より日射量が多かったことや風が弱かったことに加え、暖かく湿った空気の影響もあり、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

九州の東では、暖かく湿った空気と平年より風が弱く、日射量が多かった影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域はほぼみられなくなりましたが、下層の冷水の影響で、引き続き、広い範囲で平年より低くなっています。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、九州・山口県周辺海域の海面水温は、東シナ海では、平年より高いでしょう。奄美群島の東、九州の東では、平年並か平年より低いでしょう。

海流の実況と見通し

2022年3月中旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸する
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 奄美群島の南東の北緯27.5度、東経130度付近に冷水渦がみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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