海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成26年11月20日発表
東京管区気象台

診断(2014年11月中旬)

  • 関東の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。
  • 房総沖では、海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。
  • 関東の南東から東海沖にかけては、海面水温が平年より低い状態が続いています。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
  • 黒潮は、潮岬では接岸し、東海沖では北緯33.5度付近を東北東に流れ、東経138.5度付近で南東に向かい、東経139度付近から北東に流れ、三宅島と八丈島の間を通って、東経140.5度付近から東に流れ、房総半島では離岸して流れています。北緯35度、東経142.5度付近から北に流れ、北緯37度付近から南東に流れています。常磐沖では、黒潮系暖水が北緯38度付近まで北上しています。
  • 対馬暖流は、能登半島の北で北緯39.5度付近まで張り出している暖水域に沿って流れて佐渡の北に達しています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(11月19日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(11月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

関東の東では、黒潮系暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。

房総沖では、低気圧及び冬型の気圧配置により寒気が流入した影響で、海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。

関東の南東から東海沖にかけては、海面水温が平年より低い状態が続いています。

北陸周辺海域では、低気圧及び冬型の気圧配置により寒気が流入した影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。常磐沖の海面水温は平年よりかなり高いでしょう。

関東の南東から東海沖にかけての海面水温は、向こう1か月、平年並になるでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2014年11月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 なし なし
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯38度付近(平年並)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 関東南東方の北緯32度、東経143度付近に冷水域がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、能登半島の北で北緯39.5度付近まで張り出している暖水域に沿って流れて佐渡の北に達している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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