平成20年2月29日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2007年)
・1980年代にしばしば発生した日本東方海域における親潮の顕著な南下は、1986年を最後に発生していません。
・2007年の日本東方海域における親潮の面積は、11月以降は1997年12月以来の最小規模となりました。
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赤線が平均南端位置(右軸=北緯(度))、青色部が平均面積 (左軸=104km2)を示します。
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(1971年1月〜2007年12月)
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(1971年1月〜2007年12月)
解説
例年親潮は春に大きく張り出し、夏から秋にかけてゆっくり後退します。日本東方海域における親潮の沿岸寄りの分枝の顕著な南下*は1981年、1984年、1986年と1980年代にしばしば発生しましたが、このような事例は1986年を最後に発生していません。2007年の春季(3〜5月)は、3月には沿岸寄りの分枝が北緯39度に達していましたが、4〜5月は平年よりも早く後退しました。このため2007年春季の平均面積は小さく、過去47年間で第33位の広がりでした。2007年は、沖合の分枝は9月以降東経148度より東に後退したままでした。さらに11月以降は沿岸寄りの分枝も大きく後退し、北緯43度以南にはほとんど見られなくなりました。このため、2007年11〜12月の日本東方海域における親潮の面積は1997年12月以来の最小規模となりました。
*顕著な南下:春季(3〜5月)の平均南端位置が北緯38度を越え、かつ、春季の平均面積が1961年以降の上位10位以内であるような場合を、主観的に、顕著な南下としています。1978年、1981年、1984年及び1986年が該当します。