平成22年3月1日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2009年)
・1980年代にしばしば発生した日本東方海域における親潮の顕著な南下は、1986年を最後に発生していません。
・2009年の日本東方海域における親潮の春季の面積は、過去49年間で、5番目に小さい状態でした。
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赤線が平均南限位置(右軸=北緯(度))、青色部が平均面積 (左軸=104km2)を示します。
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(1971年1月〜2009年12月)
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(1971年1月〜2009年12月)
解説
例年親潮は春に大きく張り出し、夏から秋にかけてゆっくり後退します。日本東方海域における親潮の沿岸寄りの分枝の顕著な南下*は1981年、1984年、1986年と1980年代にしばしば発生しましたが、このような事例は1986年を最後に発生していません。2009年の親潮の面積は、1月から2月にかけて平年並でしたが、2月中旬以降6月にかけて平年より小さい状態でした。7月はいったん平年並となり、8月以降10月にかけて平年より小さくなりました。11月から12月はおおむね平年並でした。
春季(3〜5月)の平均面積は、過去49年間で5番目に小さい状態となりました。春季の平均南限位置は、過去49年間で第30位でした。
*顕著な南下:春季(3〜5月)の平均南限位置が北緯38度を越え、かつ、春季の平均面積が1961年以降の上位10位以内であるような場合を、主観的に、顕著な南下としています。1978年、1981年、1984年及び1986年が該当します。