日本近海の海流

平成27年8月10日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2015年8月上旬)

  • 黒潮は、都井岬で接岸して、足摺岬、室戸岬で離岸して、潮岬で接岸して流れています。
  • 黒潮は、東経136度付近から南東に流れ、北緯31.5度、東経139.5度付近から北東に流れ、東経140度付近から北北西に流れ、三宅島付近から北東に流れ、房総半島では離岸して東に流れています。東経142.5度付近から北東に流れ、北緯36.5度、東経144.5度付近からは東南東に流れています。
  • 親潮の南限位置は北緯42度、東経148度(図中A)付近にあります。親潮の面積は平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、東経134.5度付近からは、北緯37.5度、東経135度付近を中心とする暖水域に沿って時計回りに流れ、東経136度付近からは東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139度付近からは北に流れて津軽沖に達しています。

日本近海の深さ100mの水温分布図(8月9日)
日本近海の深さ100mの水温分布図(8月9日)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年8月上旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度 / 東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸(小蛇行) 接岸する
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸(小蛇行) 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 8月中旬に離岸する
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経139.5度 北緯31度、東経139.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 期間中頃に接岸する
その他の顕著な現象 沖縄の南の北緯22度、東経124.5度付近に暖水域が、室戸岬の南の北緯33度、東経134度付近に冷水渦が、それぞれみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2015年8月上旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。

表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し
項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯42度、東経148度付近(図中A) 北緯41度、東経147度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143.5度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近)(図中C)
その他の日本の東の海流 北緯41度、東経146度付近および北緯39度、東経143.5度付近に暖水渦がみられる(図中D)
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、東経134.5度付近からは、北緯37.5度、東経135度付近を中心とする暖水域に沿って時計回りに流れ、東経136度付近からは東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139度付近からは北に流れて津軽沖に達している
山陰沖東部から佐渡沖にかけて岸沿いに流れがみられる
朝鮮半島の東方には北向きの流れがみられる
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

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