日本近海の海流

平成27年10月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2015年10月中旬）

  • 黒潮は、都井岬では接岸し、足摺岬では離岸し、室戸岬、潮岬では接岸して流れています。
  • 黒潮は、北緯33度付近を東に流れ、東経137.5度付近から南南東に向かい、北緯32度、東経139度付近から東北東に流れ、北緯34度、東経142度付近から北に流れています。房総半島では離岸して北に流れ、北緯36度、東経142度付近から東北東に流れ、北緯37度、東経143.5度付近からは南東に流れています。
  • 親潮の南限位置は、北緯41.5度、東経148度(図中A)付近にみられ、親潮の面積は平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北北東に流れています。北緯39度、東経135度付近からは南東に流れ、能登沖の東経136度付近からは北東に流れ、秋田沖を北に流れて、津軽沖に達しています。

日本近海の深さ100mの水温分布図（10月19日）
日本近海の深さ100mの水温分布図（10月19日）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年10月中旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注）
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 180km付近 −
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯30.1度 / 東南東 −
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸する
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸、接岸を繰り返す
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸、接岸を繰り返す
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸、接岸を繰り返す
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯32度、東経139度 北緯32.5度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 八丈島の南 八丈島の南、期間後半には八丈島の北
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の東の北緯27度、東経130度付近に冷水渦が、奄美群島の東の北緯28.5度、東経132度付近に暖水域が、それぞれみられる −

（注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2015年10月中旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。

表2：日本の東と日本海の海流の実況と見通し
項目 実況 向こう1か月の見通し（注）
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯41.5度、東経148度付近(図中A) 東経148度以東に後退する
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし −
その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度、東経143.5度付近と北緯40.5度、東経144.5度付近(図中B) −
親潮の面積（※4） 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経143度付近（平年より西）(図中C) −
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯37.5度付近（平年並）（経度は東経143.5度付近）(図中D) −
その他の日本の東の海流 特にみられない −
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北北東に流れている
北緯39度、東経135度付近からは南東に流れ、能登沖の東経136度付近からは北東に流れ、秋田沖を北に流れて、津軽沖に達している
山陰沖東部から若狭湾沖にかけて反時計回りの流れがみられる
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられる		 −
対馬暖流の勢力（※7） 平年並 平年並

（注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

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