日本近海の海流

令和6年11月8日 気象庁発表

診断(2024年11月上旬)

黒潮(図1、表1)
  • 黒潮は大蛇行しています。
  • 黒潮は、都井岬で接岸し、足摺岬、室戸岬、潮岬で離岸して流れています。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、北緯30.5度、東経137.5度付近にあり、伊豆諸島付近では三宅島付近を流れています。
  • 房総半島では接岸して流れています。
親潮・対馬暖流(図2、表2)
  • 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退し、親潮の面積は平年よりかなり小さくなっています。
  • 対馬暖流の勢力は、平年よりかなり強くなっています。

日本近海の深さ50mの海流分布図(11月7日)
図1:日本近海の深さ50mの海流分布図(11月7日)
日本近海の深さ100mの水温分布図(11月7日)
図2:日本近海の深さ100mの水温分布図(11月7日)

深さ50mの海流分布図(図1)は、海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示しています。 0.2ノット(1ノット≒0.5m/s、図ではktと表記しています。)以上の流れの向きを矢印で示しています。流速は、図の右にあるスケールを参照してください。 深さ100mの水温分布図(図2)の水温は、図の右にあるスケールと同じ色で色分けされています。

これらの図は速報値で作成しています。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2024年11月上旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸が続くが、一時接岸する
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30.5度、東経137.5度付近 北緯30度、東経137.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖の北緯32.5度、東経137度付近、南大東島の東の北緯26度、東経132.5度付近、沖縄本島の南の北緯25.5度、東経128度付近に冷水渦が、奄美群島の南の北緯27度、東経129.5度付近、石垣島の南の北緯23.5度、東経123.5度付近、宮古島の南の北緯23度、東経125度付近に暖水渦が、それぞれみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2024年11月上旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。

表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し
項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経148.5度付近) 東経148度以東に後退
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※5 北緯40度付近(平年より北) (経度は東経144度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖の北緯42度、東経146度付近に暖水渦が、三陸沖の北緯40.5度、東経143度付近に冷水渦が、それぞれみられる
対馬暖流の勢力(※6 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

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