日本近海の海流

令和7年3月10日 気象庁発表

診断(2025年3月上旬)

黒潮(図1、表1)
  • 黒潮は大蛇行しています。
  • 黒潮は、都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬で離岸して流れています。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、北緯30度、東経136.5度付近にあり、伊豆諸島付近では三宅島と八丈島の間を流れています。
  • 房総半島では接岸して流れています。
親潮・対馬暖流(図2、表2)
  • 親潮の南限位置は、北緯40.5度、東経147度付近にあり、親潮の面積は平年よりかなり小さくなっています。
  • 対馬暖流の勢力は、平年並となっています。

日本近海の深さ50mの海流分布図(3月9日)
図1:日本近海の深さ50mの海流分布図(3月9日)
日本近海の深さ100mの水温分布図(3月9日)
図2:日本近海の深さ100mの水温分布図(3月9日)

深さ50mの海流分布図(図1)は、海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示しています。 0.2ノット(1ノット≒0.5m/s、図ではktと表記しています。)以上の流れの向きを矢印で示しています。流速は、図の右にあるスケールを参照してください。 深さ100mの水温分布図(図2)の水温は、図の右にあるスケールと同じ色で色分けされています。

これらの図は速報値で作成しています。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2025年3月上旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸が続くが、一時接岸する
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30度、東経136.5度付近 北緯30度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖の北緯31度、東経136.5度付近に冷水渦がみられる
日本の南の北緯28.5度、東経135度付近に冷水渦がみられる
南大東島の西の北緯26度、東経130.5度付近に暖水渦がみられる
宮古島の南の北緯23度、東経125.5度付近に暖水渦がみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2025年3月上旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。

表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し
項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経147度付近 北緯39.5度、東経146度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年より小さいか、かなり小さい
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※5 北緯37度付近(平年より北)(経度は東経144.5度付近)
その他の日本の東の海流 北海道東方の北緯42度、東経146度付近に暖水渦がみられる
本州東方の北緯38度、東経144.5度付近に暖水渦がみられる
対馬暖流の勢力(※6 平年並 平年並か平年より強い

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

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