海面水温・海流(日本海)

平成25年7月19日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年7月中旬)

  • 海面水温は、おおむね平年より高い状態が続いています。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れて隠岐の北に向かい、北緯37度、東経133度付近からは東に流れ、能登沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れて佐渡沖に達しています。佐渡沖からは秋田沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れています。

日本海の海面水温偏差分布図(7月18日)
日本海の海面水温偏差分布図(7月18日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

7月中旬の日本海は、平年では海面水温が1℃程度上昇する時期ですが、日本海北部では日照時間が平年より多く、風が平年より弱かったため、海面水温が平年より大きく上昇しました。その結果、日本海北部では、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大しました。日本海中部・南部では、海面水温が低下した海域もみられましたが、朝鮮半島東方を除き海面水温が平年より高い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は、向こう1か月、平年並になる見込みですが、北部では7月下旬まで平年より高いでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部では北緯35.5度、東経130.5度付近の暖水域の張り出しに沿って流れて隠岐の北に向かい、北緯37度、東経133度付近からは東に流れ、能登沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れて佐渡沖に達しています。また、山陰沖東部から能登半島西方にかけて岸に沿う流れや隠岐の北にみられる暖水域の張り出しに沿って北上する流れがみられます。佐渡沖からは秋田沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れています。津軽沖からは北上する流れと、津軽海峡へ向かう流れに分かれています。

対馬暖流の勢力は平年並です。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並か平年より強いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1985〜2010年の26年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(7月18日)
日本海の深さ100mの水温分布図(7月18日)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

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