海面水温・海流（日本海）
平成25年9月20日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断（2013年9月中旬）
- 海面水温は、平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
- 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に向きを変え、北緯38.5度からは東に流れています。能登沖からは北に流れ、佐渡沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れて秋田沖に達し、東経139.5度付近を北に流れています。
日本海の海面水温平年差分布図（9月19日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
海面水温
9月中旬の日本海の海面水温は、平年では1℃程度低下する時期ですが、日本海北部では旬の前半に、日本海中部・南部では旬を通して日照時間が平年より多く、風が平年より弱かったため、海面水温が平年ほど低下しませんでした。その結果、日本海北部では海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。日本海中部・南部では平年並の海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。また、日本沿岸寄りの海域では海面水温が平年より2℃以上高い海域がみられます。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は、向こう1か月、南部は平年より高く、北部は平年並でしょう。
海流の実況
対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に向きを変え、北緯38.5度からは東に流れています。能登沖からは北に流れ、佐渡沖にみられる暖水域の張り出しに沿って流れて秋田沖に達し、東経139.5度付近を北に流れ、津軽沖で北上する流れと津軽海峡へ向かう流れに分かれています。また、山陰沖東部には時計回りの循環がみられます。
対馬暖流の勢力は平年並です。
対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう１か月、平年並か平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1985〜2010年の26年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。
日本海の深さ100mの水温分布図（9月19日）
この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。