海面水温・海流(日本海)
平成26年12月10日発表
日本海海洋気象センター
診断(2014年12月上旬)
- 海面水温は、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
- 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に流れ、北緯38.5度付近まで張り出している暖水域に沿って流れています。能登半島の北西からは北東に流れ、佐渡の北では北緯39度付近を東に流れ、東経139.5度付近からは北に流れて津軽沖に達しています。
日本海の海面水温平年差分布図(12月9日)
解説
海面水温
12月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1〜1.5℃低下する時期ですが、強い寒気の影響で、日本海中部を中心に、海面水温が平年より大きく低下しました。その結果、日本海では海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。朝鮮半島東方では10月下旬から、能登半島西方では11月上旬から、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられます。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は、向こう1か月、北部・中部では平年並か平年より低く、南部では平年並でしょう。
海流の実況
対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に流れ、北緯38.5度付近まで張り出している暖水域に沿って流れています。能登半島の北西からは北東に流れ、佐渡の北では北緯39度付近を東に流れ、東経139.5度付近からは北に流れて津軽沖に達しています。津軽沖からは北上する流れと津軽海峡へ向かう流れに分かれています。また、朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられます。
対馬暖流の勢力は平年より弱くなっています。
- 参考図:日本海の深さ50mの海流分布図(12月9日)
- 参考図:対馬暖流の勢力の時系列図
対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より弱いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1985〜2010年の26年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。
日本海の深さ100mの水温分布図(12月9日)