海面水温・海流(日本海)
平成27年6月10日発表
日本海海洋気象センター
診断(2015年6月上旬)
- 海面水温は、日本海北部では平年より低くなりました。
- 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、東経135度付近にある冷水域の南側に沿って反時計回りに流れています。能登半島の北西側で北緯38度付近まで張り出している暖水域に沿って時計回りに流れ、能登半島の北からは北東に流れて、津軽沖に達しています。
日本海の海面水温平年差分布図(6月9日)
解説
海面水温
6月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1〜2℃上昇する時期ですが、低気圧や前線の影響で、平年より日照時間が少なく、風が強かったため、海面水温が平年ほど上昇しませんでした。その結果、日本海北部では、海面水温が平年より高い海域がみられなくなり、海面水温が平年より低くなりました。日本海中部・南部では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が縮小しました。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は、向こう1か月、北部では平年並か平年より低いでしょう。中部と南部では平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況
対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、東経135度付近にある冷水域の南側に沿って反時計回りに流れています。能登半島の北西側で北緯38度付近まで張り出している暖水域に沿って時計回りに流れ、能登半島の北からは北東に流れて、津軽沖に達しています。津軽沖からは北上する流れと津軽海峡へ向かう流れに分かれています。また、朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられます。
対馬暖流の勢力は平年並です。
- 参考図:日本海の深さ50mの海流分布図(6月9日)
- 参考図:対馬暖流の勢力の時系列図
対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並でしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。
日本海の深さ100mの水温分布図(6月9日)