海面水温・海流(日本海)

平成27年7月31日発表
日本海海洋気象センター

診断(2015年7月下旬)

  • 海面水温は、日本海北部と中部で平年より低い海域がみられなくなり、平年より高い海域が拡大しました。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、東経134度付近からは北緯38度、東経134度付近にある暖水域に沿って時計回りに流れ、東経136度付近からは東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139度付近から北に流れて津軽沖に達しています。

日本海の海面水温平年差分布図(7月30日)
日本海の海面水温平年差分布図(7月30日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

7月下旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1.5℃程度上昇する時期ですが、日本海北部と中部では、南よりの風により暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、海面水温が平年より大きく上昇しました。その結果、海面水温が平年より低い海域がみられなくなり、平年より高い海域が拡大しました。山陰沖では、強風の影響で海面水温が平年より低い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は、向こう1か月、北部と中部では平年並か平年より高いでしょう。南部では、期間の初めは平年より低く、次第に平年並か平年より高くなるでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、東経134度付近からは北緯38度、東経134度付近にある暖水域に沿って時計回りに流れ、東経136度付近からは東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139度付近から北に流れて津軽沖に達しています。津軽沖からは北上する流れと津軽海峡に向かう流れに分かれています。北緯36.5度、東経135度付近および北緯37.5度、東経136度付近には冷水域があって、反時計回りの流れがみられます。朝鮮半島東方には北向きの流れがみられます。

対馬暖流の勢力は平年より強くなっています。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並か平年より強いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(7月30日)
日本海の深さ100mの水温分布図(7月30日)

この図の水温は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

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