海面水温・海流(日本海)
平成28年4月8日発表
日本海海洋気象センター
診断(2016年4月上旬)
- 海面水温は、日本海中部の東経135度以西では平年より低い海域が縮小しました。
- 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、東経134度付近からは北北東に流れ、東経136度付近からは南東に流れています。佐渡島の西からは東経138度付近を北に流れ、北緯40度付近からは北東に流れて、津軽沖に達しています。
日本海の海面水温平年差分布図(4月7日)
解説
海面水温
4月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が0.5℃程度上昇する時期ですが、日本海中部・南部では、南からの暖かく湿った空気の影響で海面水温が平年より大きく上昇しました。その結果、日本海中部の東経135度以西では、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。また、日本海中部の東経135度以東および日本海南部では、海面水温が平年より高い状態が継続しています。一方、日本海北部では、平年より風が強かった影響で海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は、向こう1か月、平年より高くなるでしょう。
海流の実況
対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、東経134度付近からは北北東に流れ、東経136度付近からは南東に流れています。佐渡島の西からは東経138度付近を北に流れ、北緯40度付近からは北東に流れて、津軽沖に達しています。津軽沖からは北に向かう流れと津軽海峡に向かう流れに分かれています。また、若狭湾沖に反時計回りの流れが、朝鮮半島東方に時計回りの流れがみられます。
対馬暖流の勢力は平年よりかなり強くなっています。
- 参考図:日本海の深さ50mの海流分布図(4月7日)
- 参考図:対馬暖流の勢力の時系列図
対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より強いか、かなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。
日本海の深さ100mの水温分布図(4月7日)